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区画整理保留地とは?購入・売却のメリット・デメリットと注意点を解説

伊東 孝之

筆者 伊東 孝之

不動産キャリア15年

サラリーマン時代は不動産会社で勤務、独立後は建物そのもののことを学ぶべく、リフォームを主軸に物件に携わって参りました。広く浅くですが、建築に関する知識も有していますので、単純に不動産を右から左に売却するのではなく、付加価値を見出すことに注力しています。

1. そもそも「保留地(ほりゅうち)」とは?

「保留地」とは、土地区画整理事業という大規模な土地の整備事業の中で生み出された、事業の費用を賄うために売却される土地のことです。 


一般的な土地は所有者がいて登記簿に名前が記載されていますが、保留地は少し特殊な経緯をたどります。

土地区画整理事業では、事業対象エリアの地権者から少しずつ土地を出し合ってもらい(「減歩(げんぶ)」といいます)、その土地を道路や公園といった公共用地と、売却用の「保留地」として確保します。そして、残った土地を、元の地権者に新しい土地(「換地(かんち)」)として割り当てます。


つまり、保留地はもともと誰かの土地でしたが、事業のために再編成され、販売されることになった土地なのです。

2. 保留地を購入・売却するメリット・デメリット

保留地には、一般的な土地にはない、いくつかのメリットとデメリットがあります。


メリット

  • 購入価格が比較的安い: 事業の費用を賄うための土地なので、売却価格が周辺の相場より安く設定されることが多いです。

  • インフラが整備されている: 道路、上下水道、ガス、電線などが新しく整備されているため、購入後に余分なインフラ費用がかからないことがほとんどです。

  • 街並みがきれいで住みやすい: 計画的に整備された土地なので、きれいな道路や公園が整っており、統一感のある美しい街並みが形成されます。


デメリット

  • 住宅ローンが組みにくい場合がある: 保留地は、事業完了まで登記簿に所有権が記載されないため、金融機関によってはローン審査が慎重になったり、融資を断られたりする場合があります。

  • 登記手続きに時間がかかる: 土地の所有権が確定するのは、事業完了後の「換地処分」と「保留地処分」の手続きが完了してからです。そのため、登記完了までにある程度の期間を要します。

  • 工事完了まで全容が分からない: 街全体の工事が完了するまで、周辺の道路や公共施設の最終的な位置や形状が確定しない場合があります。



3. 保留地の売却で特に気をつけたいこと

保留地は、購入時だけでなく売却時にも注意が必要です。特に以下の点を確認しておきましょう。

  1. 換地処分登記の完了を確認する: 保留地は、土地区画整理事業が完了した後に「換地処分」という手続きを経て、正式な土地の所有者として登記されます。売却活動に入る前に、土地の登記が完了しているか必ず確認しましょう。登記が完了していないと、買主への所有権移転登記ができません。

  2. 買主の住宅ローン審査への影響を伝える: 保留地は、たとえ登記が完了していても、金融機関によってはローン審査が慎重になるケースがあります。これは、区画整理地内の物件が一般的ではないと判断されるためです。買主がスムーズに資金計画を立てられるよう、あらかじめ保留地であることを伝え、金融機関選びをサポートする姿勢が重要です。

  3. 地元の不動産会社に依頼する: 保留地の売買に慣れていない不動産会社に依頼すると、手続きがスムーズに進まない可能性があります。区画整理事業に精通した地元の不動産会社は、行政の手続きや地域の情報を熟知しているため、安心して任せることができます。



4. まとめ:保留地は「賢く買う・売る」ための選択肢

区画整理保留地は、安価にきれいな土地を手に入れられる魅力的な選択肢ですが、その特殊な性質を理解せずに取引を進めると、思わぬトラブルに繋がる可能性もゼロではありません。

この記事で解説したメリット・デメリット、そして購入時・売却時の注意点をしっかりと把握し、信頼できる不動産会社や専門家と二人三脚で、賢く取引を進めていきましょう。