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不良空き家除去事業制度とは?

伊東 孝之

筆者 伊東 孝之

不動産キャリア15年

サラリーマン時代は不動産会社で勤務、独立後は建物そのもののことを学ぶべく、リフォームを主軸に物件に携わって参りました。広く浅くですが、建築に関する知識も有していますので、単純に不動産を右から左に売却するのではなく、付加価値を見出すことに注力しています。

老朽化して倒壊の恐れがある空き家や、衛生・防犯上問題のある空き家を対象に、
**「自治体が解体費用の一部を補助する制度」**です。


✅ 制度の目的

  • 地域住民の安全確保(倒壊や火災の防止)

  • 空き家の放置による景観悪化の防止

  • 土地の有効活用促進(跡地活用へ)


対象となる空き家の主な条件

※自治体により細かく異なりますが、一般的には以下のような条件があります。

項目内容
対象建物長期間使用されておらず、倒壊や衛生・防犯面での危険がある空き家(いわゆる「特定空家等」)
所有者原則として建物の所有者または相続人
条件改修が困難、または周囲に著しい悪影響を与えていると判断される場合
その他市税の滞納がないこと・暴力団関係者でないこと 等

補助金の内容(例)

自治体ごとに異なりますが、代表的な例を紹介します。

補助対象費用解体・撤去費用(足場設置・廃材処理など含む)
補助金額の目安費用の1/2〜2/3程度、上限50〜100万円ほどが多い
補助条件着手前に申請が必要、完了後報告書の提出など

岸和田市の場合(例)

※あくまで一例(2025年時点での情報)ですが、岸和田市も独自の「空家除却支援事業補助金制度」を運用しています。

  • 対象:特定空家またはその恐れのある空き家

  • 補助額:解体費用の1/2(上限100万円)

  • 申請方法:事前申請制(工事前に申請し、審査・決定を経て着工)


注意点

  • 事前申請が原則! 先に解体してしまうと補助対象外になります

  • 建物の調査や写真提出が必要(老朽化の程度を判断するため)

  • 補助金には**予算枠(先着順)**があるため、早めの相談が重要

  • 相続登記や所有権の明確化が必要な場合もあります


相談先・問い合わせ先

  • 自治体の空き家対策担当課(都市整備課、住宅政策課など)

  • 市町村のホームページで「空き家除却 補助金」などと検索

  • 地元の不動産会社や建設業者に聞くのも有効です


✅ まとめ

不良空き家を放置すると、倒壊・火災・不審者の侵入など地域に深刻な問題を引き起こす可能性があります。
ですが、解体には費用がかかるため、補助制度を活用することで大きな経済的負担を軽減できます。

まずは、
「うちの空き家は対象になるのか?」
「費用はいくらくらいかかるのか?」
など、早めに専門家や自治体へ相談してみましょう。