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岸和田市の空き家問題とは?課題と税金を中心とした対策について

伊東 孝之

筆者 伊東 孝之

大阪府岸和田市。自然と都市のバランスが取れた住みやすいまちですが、ここ数年で深刻化しているのが「空き家問題」です。
特に相続や高齢化、都市部への人口流出などが原因となり、管理されないまま放置される空き家が目立つようになってきました。

本記事では、岸和田市における空き家問題の現状と課題、さらに空き家に関わる税金の詳細とその対策について、詳しく解説します。




■ 空き家問題の現状(岸和田市)

岸和田市が公表している「住宅・土地統計調査(総務省)」によると、市内の空き家率は年々増加傾向にあります。

  • 2018年時点では約10戸に1戸が空き家

  • 高齢者の単身世帯や核家族化の影響で、空き家になるスピードが上昇中

  • 中心部だけでなく郊外や山手エリアでの老朽空き家が目立つ

これにより、「倒壊や火災のリスク」「景観の悪化」「治安の低下」など、地域住民の生活にも悪影響を与えるようになっています。




■ 空き家に対する課題とは?

  1. 相続後の放置問題
     親世代から住宅を相続したものの、遠方に住んでいて管理できないというケースが多発。税金や維持費だけがかかり、結局放置される結果に。

  2. 老朽化による危険性
     屋根や外壁の破損、雑草や害虫の繁殖など、周辺住民の安全や生活環境にも直接的な影響が。

  3. 買い手・借り手の不足
     需要とマッチせず、市場に出してもなかなか売れない・貸せない空き家が多数存在。



■ 空き家にかかる税金のしくみ

空き家を所有している場合、主に以下のような税金がかかります:

① 固定資産税

住宅用地には、通常「住宅用地の特例措置」により土地の固定資産税が最大1/6に軽減されます。

ところが…

② 「特定空き家」に認定されると軽減措置が解除!

以下のような空き家は「特定空き家」に認定される可能性があります:

  • 著しく老朽化し倒壊の恐れがある

  • 衛生上有害である(害虫の繁殖など)

  • 著しく景観を損なっている

  • 適切な管理がされていない

特定空き家に指定されると、固定資産税の軽減措置が解除され、最大で6倍もの税額に!

たとえば、年間3万円だった固定資産税が、18万円になることもあります。

③ 都市計画税も同様に増額される可能性

都市計画区域内の場合、都市計画税の軽減も同様に解除され、負担が大きくなります。




■ 岸和田市での対策やサポート制度

岸和田市でも空き家対策として、以下のような取り組みを進めています:

◆ 空き家バンク制度

空き家の売買・賃貸を希望する所有者と、住まいを探している人をマッチングする制度。登録・利用は無料。

◆ 空き家活用補助金

空き家を改修・活用する際、条件を満たせば補助金を受けられる制度があります。

◆ 空き家相談窓口

空き家の相続、売却、活用方法に関する相談を専門の窓口で受け付けています。




■ 空き家の放置は"高くつく"

空き家を「放っておく方がコストがかからない」と考えていませんか?
実際は、以下のようなコストがかかります。

  • 税金(固定資産税・都市計画税)

  • 管理費(草刈り・清掃・修繕)

  • 放置リスクによる行政指導、特定空き家指定

特に特定空き家になれば、税金増額+行政代執行費用(解体費用など)の請求もあり得ます。




■ まとめ:今こそ空き家の「活用」へ目を向けよう

岸和田市でも、空き家は大きな社会課題になりつつあります。
しかし、適切な管理・売却・活用によって、地域資源として再生させることも可能です。

  • 空き家は「負債」にも「資産」にもなります

  • まずは税金や現状を正しく理解することが第一歩

  • 売却・賃貸・リノベーションなど、選択肢は豊富

不動産のプロや市の制度をうまく活用し、空き家問題に前向きに取り組んでいきましょう!